地図で読み解く東京の歴史|江戸地名と現代マップを比較してみた【切絵図×Googleマップ】
現代の東京を歩いていて、ふと目に入る「◯◯坂」や「◯◯町」という地名。
それらの多くは、江戸時代の町割りや地形、暮らしに深く結びついています。
この記事では、江戸切絵図(江戸時代の地図)と現代のGoogleマップを比較しながら、今に残る江戸の痕跡を紐解きます。
さらに、“坂”“町”“谷”“橋”などの地名に隠された意味や歴史も詳しく解説!
🗺️ 江戸切絵図とは?|町の“機能と地形”がわかる歴史マップ
江戸切絵図(えどきりえず)とは、江戸時代後期に作られた町ごとの詳細地図です。
道幅、坂の傾斜、寺社の位置、武家屋敷の名前まで記載された**“当時のGoogleマップ”**とも言える存在。
- 作成年代:主に安政年間(1850年代)
- 特徴:方位が上=西、下=東(現在と逆!)
- 用途:町民・武士・旅人が移動のために使っていた
👉 現在も国会図書館や地図アプリ(時代地図)などで閲覧可能です。
🏙 現代地図と比べて見える「江戸の名残」
1. 日本橋(中央区)|“商業の中心”のまま生き続ける地名
- 江戸切絵図:魚河岸・材木町・大伝馬町など商人の町が集中
- 現代:三越・コレド室町など老舗百貨店や新商業施設が並ぶ
- 注目地名:
・兜町:昔の“両替商”が今の証券街に
・人形町:人形芝居や操り人形が演じられていた場所
👉 町の「役割」が地名に刻まれ、現代にもその“気配”が残っている。
2. 麻布十番(港区)|坂と“町人の台所”の記憶が交差する町
- 江戸切絵図:武家屋敷と町人町が入り混じるエリア
- 現代:麻布十番商店街として親しまれるが、“坂の町”でもある
- 注目坂名:
・暗闇坂:かつて木が生い茂り、夜は真っ暗で通行困難だった
・狸坂:狸が出たという伝承に由来
👉 “坂”の名前は、その地形と当時の人々の暮らしぶりをそのまま伝えている。
3. 本郷(文京区)|文教地区の成り立ちは江戸の寺町から
- 江戸切絵図:寺院と武家屋敷が集まる“文化ゾーン”
- 現代:東京大学をはじめとする教育機関が集まる文教地区に
- 注目地名:
・湯島:湯島聖堂や天神(学問の神)に由来
・本郷通り:江戸期からのメインストリート。旧街道としての役割も
👉 地名が“学びの場所”を表し続けているのが面白い。
📍 意外と知らない?「◯◯坂」「◯◯町」地名の意味と由来
| 地名の語尾 | 意味 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ◯◯坂 | 坂道・地形に由来 | 暗闇坂、狸坂、切通坂 | 地勢+民話・伝承が多い |
| ◯◯町 | 商業・町人のエリア | 鍛冶町、両替町、米町 | 職業や取引の名前が由来 |
| ◯◯橋 | 川や用水路にかかる橋 | 永代橋、浅草橋、芝浦橋 | 今も川がある or 暗渠になっている |
| ◯◯谷 | 低地・谷状の地形 | 谷中、渋谷、四谷 | かつての川沿い・湿地に多い |
👉 地名を見れば、その土地の歴史や暮らしが見えてくる。
🧭 地図で楽しむ東京の歩き方|「昔と今」を重ねて見ると散歩が楽しい!
東京は常に変化している都市ですが、地名と地形は“記憶の地層”として残り続けています。
- 坂を歩くとき、その名の由来を知っていると一気に深みが増す
- 町名の意味を知ると、今の街の役割との“つながり”に気づく
- 江戸切絵図とGoogleマップを見比べるだけで、“時空の旅”ができる
🎁 おまけ:江戸地名を感じられるおすすめスポット
- 時代地図アプリ「大江戸今昔めぐり」
→ 現在地と江戸地図を重ねて表示できる便利アプリ! - 東京都江戸東京博物館(休館中/代替展示あり)
→ 江戸の町並み模型が圧巻! - ぶらタモリ的街歩き本/地名辞典シリーズ
→ 散歩+地図の組み合わせで、知的旅が楽しめます。
✨ おわりに:「地名」は東京に残された“江戸の声”
地名は、ただのラベルではありません。
それは、江戸に暮らした人々の記憶と感覚、そして地形と生活の記録です。
今の東京に生きる私たちも、知らず知らずのうちに**「江戸の延長線上に立っている」**のかもしれません。
あなたの街の「坂」「町」「谷」「橋」——その意味を、ぜひ一度調べてみてください。