着物からストリートへ|昔と今で変わった“日本のファッション”と変わらない美意識
時代が変われば、装いも変わる。
江戸時代には、着物・帯・髪結いといった和装スタイルが人々の生活を彩っていました。
一方、現代の東京では、ストリートファッションやカジュアルウェアが個性や自由を表現する手段として根づいています。
この記事では、**「日本人のファッションがどう変わったのか、何が受け継がれているのか」**を、時代別に紐解きながらご紹介します。
👘 江戸〜明治時代:着物と髪で“身分・季節・粋”を語る時代
● ファッションの基本は「着物+帯+髪結い」
- 着物は反物1本で仕立てる直線構造。体型を問わず着こなせる万能デザイン
- 帯の結び方で年齢・立場・流行を表現(例:文庫結び、太鼓結び)
- 髪型は「髷(まげ)」「島田髷」など、職人の技術が支えるアートでもあった
👉 特徴:
衣服は「脱ぎ着するもの」ではなく、“身につける所作”そのものが美学
● ファッションの役割は「機能+身分表示+粋(いき)」
- 色や柄に意味が込められていた(例:江戸紫=高貴・品位)
- 四季ごとの“衣替え”と素材の使い分け(麻・絹・綿など)
- 高価な素材や派手な色は禁止される「奢侈禁止令」が出るほど“おしゃれ熱”は強かった
👚 現代:自由と機能を重視するファッションへ
● カジュアルウェアの台頭
- 明治〜昭和:洋服文化の流入。制服・スーツ・ワンピースが普及
- 平成〜令和:ユニクロ・GU・ZARAなどのファストファッションが日常着に
- 機能性・快適性を重視した「吸水速乾」「ストレッチ素材」「無縫製デザイン」なども人気
👉 特徴:
「誰でも、どこでも、いつでも着られる」が現代のベース
● ストリートファッション=自己表現の時代へ
- 原宿・渋谷などを中心に**“混ぜる”ファッションがカルチャーに**
- 着崩し・重ね着・オーバーサイズ・古着MIXなどが自由自在
- 世界からも注目される東京発ブランド(sacai、UNDERCOVER、COMME des GARÇONS など)
👉 例:
・下駄×ワイドパンツ、着物ガウン×スニーカーなど、“和”を現代風にリミックスする人も増加
👘▶👖 着物文化はどうなった?|現代に残る「和の装い」
| スタイル | 現代での位置づけ | 使用シーン |
|---|---|---|
| 着物 | フォーマルウェア/趣味としての和装 | 成人式・結婚式・茶道・和カフェ巡りなど |
| 浴衣 | 夏のイベント向けカジュアル着 | 花火大会・盆踊り・旅館など |
| 和モダンアレンジ | ストリートや舞台衣装・デザイナーズブランド | 着物ガウン・羽織コートなど日常に応用可 |
👉 若者の間では、「自分で着て楽しむ」着物文化がSNSを通じて再評価中。
✨ 江戸も令和も、日本人の“おしゃれ心”は変わらない
| 要素 | 江戸 | 現代 |
|---|---|---|
| 色 | 四季や身分に合わせて意味を込める | パーソナルカラーや“推し色”で楽しむ |
| シルエット | 体を包む・隠す | 体のラインを見せる or あえて崩す |
| 装飾 | 柄・帯・髪結いで個性を出す | アクセサリー・髪色・プリントで個性を出す |
| 自己表現 | “粋”や“こだわり” | “好き”や“自分らしさ” |
🎯 おわりに:装いは変わっても、美意識は受け継がれる
着物からジーンズへ、帯からベルトへ、島田髷からヘアカラーへ——
見た目は大きく変わっても、日本人がファッションに込める「季節感」「所作」「奥ゆかしさ」「遊び心」は今も生きています。
現代のファッションの中にも、ぜひ**“和の美意識”を感じてみてください。**
今日着る一着が、もしかしたら100年後の“伝統”になるかもしれません。